介護付き有料老人ホーム如月
第3回
運営推進会議(地域ケア会議)について(議事録)

【 開催日 】

2025年  10月28日(火)

【 施設名 】

介護付き有料老人ホーム如月

【 時  間 】

15:00  ~15:30

【 記入者 】

原田明 

【場所】☑当事業所

(如月2階多目的室兼相談室)

2025年度 3回目(年6回以上)

【参加者】

H様(利用者の家人)・H様(利用者)
米子市長寿社会課
原田明(如月管理者)
賀本(法人代表者兼専門的な知見を有する者)

【オブザーバー参加:弊社他事業所職員】

なし

【欠席者】

F様(地域代表者) 
米子市淀江地域包括支援センター

 



概要

地域密着型サービスへの移行後の取り組み状況
安全・虐待防止・業務改善の研修報告
家族連携と保険外業務の課題、地域資源周知
議事録の配布・公開方針が整理されている。
主な論点は、

  • ポータブルトイレと足元センサーの廃止による負担軽減
  • 家族による洗濯物回収協力
  • 誤嚥・窒息予防と救命研修
  • 虐待防止の「虐待の目」運用
  • ヒヤリハット共有
  • 保険外依頼の増加による介護本来業務への影響
  • 緊急時対応と管理者体制の課題
  • 入浴介助の人員制約
  • 市の施策周知
  • 議事録

の取り扱いである。

主な議題
  • ポータブルトイレ廃止の取り組みと成果

施設内の簡易便器(ポータブルトイレ)利用をゼロ化。導入当初は7~8人が使用していたが段階的に削減し現在はゼロ人。医師の特別指示がない限り、定時誘導・声掛けで排泄支援し、水洗トイレ利用を基本とする。廃止後も部屋での失禁発生なし。利用者のADL維持に資するため継続。

  • 足元センサー(離床センサー)廃止の取り組み

夜間の連続鳴動による職員疲弊・利用者安眠阻害のため撤去しゼロで対応。地域密着型への種別変更に伴い、市補助金で眠りスキャンを導入。睡眠・呼吸・脈拍、長時間起床等を検知し必要時対応。過度な即時反応を避け、実態に即したタイミングで介助し負担を軽減。

  • 家族による洗濯物回収の協力依頼

家族が1週間に1回または10日に1度程度で来訪し面会とともに洗濯物回収を依頼。家族来訪減少、保険外業務担当者の高齢化を背景に持続可能性確保のため協力を求める。洗濯サービスは現行を維持しながら、対応可能範囲で家人へ協力依頼。身寄りなし・交通手段なし等の事情には施設が継続対応。

  • 入居状況と介護度の現況

29床満床。平均介護度3.33。要介護3~4が中心で重めの介護度層が多い。特養等が中心となる層に近い旨を家族へ説明し理解を求めた。

  • 採用・職場環境改善(5S・情報共有)の取り組み

採用関連(職責変更、退職希望、配置替え等)を研修で共有。介護職の応募が大幅減少しており地域の力も借りて運営。5Sの徹底を継続。居室・バックヤードの整理整頓でヒヤリハット(パッド袋でのつまずき、靴の置き場未徹底、車椅子位置不適切等)を防止。生活の場特有のイレギュラーが多いため報・連・相の徹底を周知。他施設事例(家族の食事持参希望等)も情報共有対象。

  • 誤嚥・窒息と提供食に関するリスク管理

施設提供食以外の持ち込みは事故時に保険適用外・司法リスクの可能性。医師の特別指示がない限り嗜好品への置き換え不可と説明が必要。これを踏まえた研修を実施し、利用者・家族への十分な説明の重要性を共有。

  • 食事提供・衛生管理と救命対応の研修

食事提供時間の再徹底、寒冷期に向けた食中毒・感染症予防策を確認。誤嚥・窒息予防ポイントの実演、タッピング・ハイムリック法の実技研修を実施。

  • 虐待防止研修とコミュニケーション改善

月次で虐待防止研修を継続。声かけ表現の言い換え(「ダメ」ではなく「どうされました」等)を共有し、焦りや大声化の課題を振り返り。「虐待の目」チェック(無記名、A=自分がしてしまった、B=職場で見聞き)を継続。コメント指摘は拾い上げて確認する運用。

  • 「虐待の目」データの推移と現場マネジメント

年単位で収集。数値は低いほど望ましいが無関心による形骸化や職員入れ替わりで乱高下する傾向。当該施設では概ね5以下で推移も、夏場にBが6へ上昇。職員出入りの影響が示唆され、管理者の現場声かけ(困りごとの早期把握、相談促進)を継続依頼。小さな兆候(暴言・素行の変化等)を軽視せず、燃え尽き・精神的不調の早期段階で介入する重要性を共有。

  • ヒヤリハット・事故防止の共有と是正

他施設のヒヤリハットを収集・検証し展開。事例にベッド横転倒・座り込み、配薬ミス(松江)。当該施設は前回運営推進会議以降、現時点で報告可能なヒヤリハット・事故なし。

  • 洗濯業務の請求漏れ対策

家族持ち帰り運用の中で洗濯機使用代の請求漏れ(記入漏れ)が発生。様式見直しと手順マニュアル再確認を実施し、適正請求を徹底。

  • 爪切り対応に関する家族からのフィードバック

事例共有:爪切り後に痛み訴え(深爪の可能性)。管理者・看護職員がヤスリ仕上げ等で再実施し痛み解消。足爪は伸びやすく靴下着用で気づきにくいため、生爪剥離・皮膚損傷予防の観点で継続確認・適切ケアを要望。現場は迅速連携(介護士→管理者→保健師)で是正。

  • 研修の頻度と法令対応

虐待防止、ヒヤリ・事故防止、業務改善は毎月実施(法令上の定めあり)。先月以降も当該内容を中心に研修・協議を継続。

  • 意見交換等

 

  1. 職員・利用者を大切にする取り組みの評価
  2. 職員の状況分析、探索・フォロー等の新しい取り組みが高評価。継続的な経過共有の要望と今後も情報提供を受けたい意向。
  3. 高齢者向け一人暮らし安心ガイドの配布と活用。高齢者に有用な相談先等を記載した冊子を配布。部数に限りがあり、必要時はコピー・在庫から追加配布。長寿社会課も在庫の管理があり全員配布は困難で希望者対応の方針。
  4. 介護現場の保険外業務の増加と影響
  5. 家族からの保険外サービス依頼(受診付き添い、洗濯、日用品購入、おやつ対応等)が多く、介護本来業務に支障。レクリエーション・機能訓練への人員投入や入浴時の丁寧な対応が難しくなり負荷増大。人員基準はあるが、家族要望の半数以上が保険外依頼に及ぶ事例もあり、現場が振り回される実態。
  6. 緊急対応と管理者体制の課題。契約上は家人対応原則。緊急時対応する場合に家族と連絡が取れないことがあり、夜間救急対応で管理者が朝まで病院付き添いとなるケース。夜間呼び出しが女性管理者不在の一因との指摘があり、能力ある女性職員の登用に夜間負担が障壁。
  7. 入浴介助の人員・頻度の制約。本来は2人対応が望ましいが雑務多く1人で毎日10人ちょっとを入浴介助。望ましい頻度は週3~4回だが法令最低ラインの週2回を回すのが精一杯。
  8. 家族への啓発と地域連携の重要性。介護職を「召使い・使用人」のように扱う意識では継続困難。保険外雑務への過度な依頼を控え、必要時は家族協力が不可欠。法律で網羅しきれないグレー領域もあり、地域密着型サービスとして関係者協力で良い施設を作る方針。
  • 市の取り組みと周知課題

米子市の多岐にわたる施策(例:免許返納関連等)への言及。介護以外の情報も含め市民への周知が課題。「知らなかった」という声が多く、手法だけでは周知が難しいため効果的な伝え方が必要との認識。

  • 議事録の取り扱い

会議取りまとめは議事録として配布し会社(ノーブルライフ)ホームページにも掲載し振り返り可能とする。個人名はマスキング。会題に退職者名が含まれるため該当資料は回収し、議事録は後日配布(米子市・地域包括へメール送付)予定。

未解決事項・リスク
  1. 地域包括支援センター(米子市淀江町)担当者と地域代表(地権者)の欠席が続き、地域連携の議論・合意形成が不足するリスク。
  2. 人材確保の困難(介護職員だけではなく保険外サービス職員(洗濯や居室清掃等))介護職応募減少、洗濯等保険外業務担当の高齢化が進行。持続的運営のための人材確保策が不足。
  3. 家族協力の不安定さ。洗濯物回収の家族協力が途絶えるケースがあり、協力継続性が不透明で運営負荷が再度施設側に偏る可能性。
  4. 「虐待の目」指標の乱高下。無関心化や職員出入りに伴う乱高下の可能性が残存。チームワーク不全のリスク。コミュニケーション・ケア手順逸脱のリスク。職員の出入りが続く期間は声かけ不適切や配薬ミス等のリスクが高まる。
  5. 爪ケア要望の定期化基準不明確。家族要望への頻度・基準が不明確で対応のばらつきが生じる恐れ。
  6. 保険外業務の範囲と優先順位の不明確さ。介護本来業務への影響が継続するリスク。緊急時家族連絡不通への対応未整理。
  7. 夜間救急対応の負担が管理者体制(特に女性職員の登用)に影響。
  8. 入浴介助の人員不足による安全性・品質低下。1人で毎日10人ちょっと対応、頻度が週2回に留まる状況。
  9. 米子市施策の周知不足。必要な支援制度の利用が進まない恐れ。
アクションアイテム
  • 研修後に一般職員・パート職員へ資料を配布し、採用・5S・報連相の方針を周知する
  • 家族・利用者への持ち込み食品に関する説明を徹底(医師指示がない限り提供不可の方針を明確化)
  • 管理者による現場職員への定期的な声かけを継続(困りごとの早期把握と相談促進)
  • 爪ケアの手順徹底(深爪防止、ヤスリ仕上げ、足爪の定期確認を含む)を現場に再周知
  • 洗濯機使用代の様式改定と手順マニュアルの再確認を完了し、請求漏れ防止を運用に反映
  • 高齢者向け一人暮らし安心ガイドの追加配布希望に対応(コピー・在庫から提供)
  • 会議議事録を作成し配布、ノーブルライフのホームページへ掲載
  • 議事録の個人名箇所のマスキング処理を実施
  • 会題資料(退職者名含む)の回収
  • 議事録の配布連絡(米子市・地域包括へはメール送付)

 



介護付き有料老人ホーム如月
第2回
運営推進会議(地域ケア会議)について(議事録)

【 開催日 】

2025年  8月26
日(火)

【 施設名 】

介護付き有料老人ホーム如月

【 時  間 】

15:00  ~15:30

【 記入者 】

原田明

 

【場所】☑当事業所

(如月2階多目的室兼相談室)

2025年度 2回目(年6回以上)

【参加者】

T様(米子市淀江地域包括支援センター)
T様(利用者の家人)・S様(利用者)
原田明(如月管理者)
賀本(法人代表者兼専門的な知見を有する者)

【オブザーバー参加:弊社他事業所職員】
なし

【欠席者】

F様(地域代表者) 

米子市長寿社会課



会議: 介護施設運営推進会議 - 入居状況・事故防止・感染症対策

## 介護施設運営推進会議 第2回 議事録要約

### 入居状況・介護度

- 入居者数:29名(満床)

- 平均介護度:3.45(比較的高めで推移)

 

### 研修・会議の実施状況

- 月4回の主要研修を実施

  - コンプライアンス会議および研修(第1週に実施され、今月の内容として展開)

  - リーダー研修(週替わりで実施)

  - 相談員研修(週替わりで実施)

  - 管理者会議

- 研修内容は連絡事項や研修計画に基づき、感染症対策、事故防止、資質向上など多岐にわたる

- 8月研修では、動画研修としてレジオネラ菌対策の資料を使用

 

### ヒヤリハット・事故防止

- ヒヤリハット事例の書類作成・添削を実施し、インシデントの減少を目指す

  - 職員の国語力向上を目指し、第三者が見ても状況が明確にわかるような記述方法を指導

  - 添削はグループラインで共有され、毎週火曜日に本社で開かれる事故防止委員会で検討

  - 添削後、第二委員会で再検討し最終決定

 

### 5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)

- 事故防止の観点から5S活動を推進(特に整理・整頓・清掃に注力)

- 進捗が遅い現状を踏まえ、「気がついたところをやる」ではなく、やるべき箇所を細かく決定し実施

- 7月の5S活動結果を確認し、気になる点も確認しながら進めている

 

### 虐待防止対策

- 虐待防止のための対策を検討する委員会を設置し、厚生労働省のフォーマットに基づくチェックリストを毎月実施

  - 利用者への接し方(例:友達感覚での接触)、職場の雰囲気、勤怠の乱れ(例:遅刻、欠勤、早退)、悪口など、虐待につながる小さな兆候を確認

  - 職員の出入りや職場の安定度によって数値が変動する傾向があり、ゼロは不自然と認識

  - 管理者・リーダー・相談員が職員に「困っていることはないか」と声掛けを徹底

  - 他施設でも同様に実施されており、このチェックリストは職員が「自分はしている」と「職場で見聞きしたことがある」の両方を回答する形式

 

### 資質向上・ロールプレイ

- 相談員・リーダー向けに名刺交換の正確な手順をロールプレイで研修

- 動画研修として、レジオネラ菌対策、ダブルマトリックス、PIPAの法則などを実施

 

### 感染症対策

- コロナ感染スタッフ:昨日2名、今日1名が確認された

- 利用者への感染は現時点なし

- 発症日をゼロ日として5日間+24時間、または解熱後2日間の休暇を会社規定とする

- コロナが5類感染症に移行したため法的制限はないが、BCP対策本部が症状の治まり具合を見て対応を判断

- 症状は軽度(熱なし、鼻水、喉の違和感、倦怠感)で、重症化は少ない

- 地域全体でコロナ感染が流行傾向にあるが、当施設では大規模な集団感染には至っていない

 

### 事故・事例報告

- 施設からの離設事例:同一利用者が3回連続で居室の窓から外出、警察・地域の保護を受ける事態が発生

- 事前に火災報知器を鳴らすなどの不穏な行動が見られた

- 居室の窓からの外出は、法律上・行政上の見解が異なり、対策が困難な現状がある

- 当施設は有料老人ホームであり、集団生活が可能な方を対象としているため、暴力や暴言、マンツーマンでの対応が難しいと判断

- 主治医とも相談の上、対応困難として当該利用者は米子病院へ入院となった

- 誤薬事例:他利用者の薬を誤って服用させる事象が発生

- 米子市の長寿社会課からの指摘もあり、マニュアル・手順の周知徹底不足が原因と判明

- ダブルチェック・手順の再確認を管理者中心に実施し、再発防止に努めている

 

### 認知症・事前登録・QRコード活用

- 米子市推奨の認知症の事前登録制度は当施設では未導入

- 事前登録は費用がかからず、警察との連携により早期発見につながる可能性があり、過去には行方不明者の死亡事例もあったため推奨される

- QRコードを服や杖に貼付し、早期発見・連絡体制を強化可能

- QRコードをかざすことで利用者情報(住所、家族連絡先)が表示され、当施設入居者であることも判別可能

- これら米子市の制度は市民への認知度向上が課題であり、普及のための発信が必要

- 両制度とも全員登録が推奨される

 

### 職員のストレスチェック・コミュニケーション

- ストレスチェックは未実施

- 毎月の虐待防止チェックリストが、コミュニケーションの取りやすさや相談のしやすさなど、ストレスチェックと同様の役割も果たしている

- チェックリストには「自分はしている」と「職場で見聞きしたことがある」の項目があり、職員が直接相談しにくい場合でも問題点を把握できる

- 誰にも知られずに連絡できる相談窓口の存在も示唆された

 

### その他

- 会議内容は議事録として包括支援センター、文書で配布され、ホームページにも掲載される

- 資料の一部(個人名入り)は回収

- 事故・ヒヤリハット事例はグループラインで共有され、リーダーによる添削後、本社での事故防止委員会(第一委員会、第二委員会)で検討・決定される流れがある

- コロナ感染は地域でも流行傾向にあるが、重症化は少ない状況

 

---

 

## 📅 次回対応事項

- [ ] ヒヤリハット事例の記述方法指導・添削の継続と、インシデント減少への取り組み

- [ ] 事故防止委員会での事例検討・決定の継続

- [ ] 5S活動の実施箇所の細分化と推進、気になる点の確認

- [ ] 虐待防止チェックリストの毎月実施・職員への声掛け徹底、およびその内容の活用

- [ ] 資質向上研修(名刺交換ロールプレイ等)の継続

- [ ] コロナ感染スタッフの経過観察・BCP対策本部による対応の継続

- [ ] 誤薬防止のためのダブルチェック・手順周知徹底の継続

- [ ] 認知症事前登録制度・QRコード活用の導入検討と、市民への普及啓発

- [ ] 議事録の関係者・ホームページへの掲載

- [ ] 資料(厚生労働省フォーマット)のメール送付

個人名入り資料の回収

- [ ] 次回会議での追加検討事項の整理

 



介護付き有料老人ホーム
如月
第1回
運営推進会議(地域ケア会議)について(議事録)

【 開催日 】

2025年  6月24日(火)

【 施設名 】

介護付き有料老人ホーム如月

【 時  間 】

15:00  ~16:00

【 記入者 】

原田明

 

【場所】☑当事業所

(如月2階多目的室兼相談室)

2025年度 1回目(年6回以上)

【参加者】

米子市長寿社会課
M様(利用者の家人)・M様(利用者)
原田明(如月管理者)
賀本(法人代表者兼専門的な知見を有する者)

【オブザーバー参加:弊社他事業所職員】
岩尾(睦月管理者)、浅井(生活相談員)

【欠席者】

F様(地域代表者)



【検討項目】
➊冒頭挨拶 介護施設をとりまく環境についてご説明。
 
➋活動状況報告 ポータブルトイレの使用について
ポータブルトイレ使用見直しによる成果利用者の尊厳ある生活環境の実現を目指し、ポータブルトイレの使用見直しに取り組んだ結果、ポータブルトイレに座れることは、利用者が自力で居室から通常のトイレへ移動し利用できる可能性を示すという点に着目し、最大8件あった使用事例が現在では0件となりました。 これにより以下の効果が確認されています。

臭気の改善: 居室内のこもる臭いがなくなり、他の利用者やスタッフにも好影響を与えています。
QOL(生活の質)の向上: 利用者自身がトイレに行ける達成感を持ち、日中・夜間ともに自立姿勢に繋がっています。 感染症予防: 排泄環境が改善され、衛生面でのリスクが大幅に軽減されました。
この取り組みは「できる力を生かす介護」の観点に基づき、介護スタッフによる適切な誘導や声掛けを通じて段階的に進められました。ポータブルトイレ撤去後の転倒事故は発生しておらず、カンファレンスでの安易な導入を避け、適切な誘導と声掛けにより衛生的で快適な水洗トイレ利用(ウォシュレットでの洗浄も含む)が可能であることが確認されています。
 
❸入居状況と市場トレンド
稼働率: 定員29室に対し、現在28室が入居済みです。残り1室も今週中に入居が決定しており、ほぼ満室稼働の状態です。 問い合わせ傾向: 週に3〜5件の問い合わせがあり、主に病院や老健からの紹介が常時あります。 利用者層の変化: 病的なケアを必要とする方、身寄りのない方、生活困窮者の問い合わせが増加傾向にあります。また、資料上は家族がいるものの連絡が取れないといった、家族間の相違に起因する問い合わせも増加しています。
 
➍平均介護度
5月末時点で3.38と、一般的な老人ホームと比較して高い水準にあり、介護度の高い利用者が多いことが特徴です。
 
➎研修の状況
研修体制と品質管理年間を通じた包括的な研修計画が策定されており、組織全体で品質向上とリスク管理に取り組んでいます。
役員から現場職員、新人まで、組織全体にわたる多層的な研修と委員会が月にわたり実施され、決定事項が現場に落とし込まれる体制が確立されています。

➏委員会構造
役員による第一委員会: 介護専門資格を持つ役員が毎週火曜日に開催し、対策検討や決定事項を定めます。 コンプライアンス会議(第二委員会): 月1回、管理者を交えて開催され、役員会で決定された方向性を現場の状況に合わせて具体化し、決定します。この会議内で研修も行われます。 管理者会議: 月1回開催され、事業としての収益確保や職員の処遇改善といったケース管理の重要性も研修内容に含まれます。 施設・事業所相談員研修および委員会: 感染症対策、事故発生時の対応、資質向上など、上位委員会からの指示に基づき実施されます。 現場リーダー研修: 現場の専門職である介護職員のスキル向上を目的としています。 重点研修
法的要件以上の頻度で、特に高齢者虐待防止研修を毎月実施し、虐待に繋がる小さな兆候にも対応する予防的アプローチを重視しています。
研修方法: 動画研修(感染症、アンガーマネジメント、スピーチロック、身体拘束など)や回覧(紙ベースおよび携帯電話のグループチャット)、議事録の共有などを活用し、全職員への周知徹底を図っています。
 
❼事故・ヒヤリハット報告と再発防止策

4月1日以降、市への提出義務がある重大な事故は発生していません。ヒヤリハット事例が2件報告されており、それぞれ原因分析と再発防止策が講じられていま
  • 服薬ミス 朝食後の薬を夕食後に与えてしまった事例。 原因: 薬カレンダーからの取り出し時に、名前と日付のみ確認し、服用時間(朝食後か夕食後か)の確認が不十分であったこと。マニュアルは存在したが、徹底が不足していたこと。利用者からの催促による職員の焦りや、人員不足による余裕のなさも背景要因として挙げられます。 再発防止策: 服薬手順の再徹底(名前、日付、服用時間のトリプルチェック)。 スタッフによるダブルチェックの義務化。 利用者本人による最終確認と服薬完了までの確認。 薬カレンダーの色分けなど、間違いにくい環境整備。
  • 転倒事例  車椅子使用の利用者が、座布団を取ろうと立ち上がった際にバランスを崩し転倒。 原因: 利用者が簡単なことと考えスタッフを呼ばずに自身で行動したこと。スタッフへの声かけがしにくい雰囲気や、利用者への声かけ不足。 再発防止策: スタッフが声かけしやすい雰囲気作り。利用者へのブレーキ使用や声かけの徹底指導。これらの事例から、マニュアルの整備だけでなく、その徹底と職員の教育、そして人員配置の余裕が品質管理とリスク低減に不可欠であることが認識されています。
 
意見交換
(米子市長寿社会課)
➊運営推進会議の概要地域でのネットワーク構築とサービス品質向上を目的とした運営推進会議が開催されています。目的: 地域との連携強化、サービス提供の質の向上。
参加者: 利用者、利用者家族、地域住民代表(自治会、民生委員、警察官など)、市職員、地域包括支援センター職員、ケアマネージャー、事業所職員。 開催頻度: 2ヶ月に1回(年6回以上)の開催が義務付けられています。
 参加が難しい場合でも、市または地域包括支援センターのいずれかが出席する必要がある。年度末には、開催状況と参加メンバーの報告が義務付けられています。
➋資料についての質問(夢かなシートとは)
施設運営の目標設定と技術活用 夢を叶えるシート: 管理者向けの内部目標設定ツールであり、「ヒト・モノ・カネ」の観点から職員のマネジメントや施設運営の目標を明確化し、質の高い施設運営を目指しています。
❸ヒヤリハットについて
沢山の事例を見る立場から高齢者施設という特性上、転倒は防ぎきれないと思いますが、服薬に関しては「マニュアルの作成が出来ていない」ケースと「徹底が出来ていない」二つのケースが殆どです。如月はマニュアルはあるので職員への徹底をしっかりとお願いします。
(家人様)
自分も仕事柄ヒヤリハット再発防止の大変さはよくわかる。引続きしっかり検証していただきたい。
 
その他
施設の案内(眠りスキャンの説明)
 IoTツール(眠りスキャン): 夜間の排泄パターン把握に活用されており、IoT技術を用いたデータに基づいたケアの提供と効率化が図られています。
 
次回対応予定
◎ 服薬手順の再徹底と薬カレンダーの改善
◎ スタッフが声かけしやすい雰囲気作りと利用者への声かけ徹底
◎ 人員不足解消に向けた採用活動の継続
◎ 運営推進会議の継続的な開催と年度末報告の実施