介護付き有料老人ホーム如月
第1回
運営推進会議(地域ケア会議)について(議事録)

【 開催日 】

2025年  6月24日(火)

【 施設名 】

介護付き有料老人ホーム如月

【 時  間 】

15:00  ~16:00

【 記入者 】

原田明

 

【場所】☑当事業所

(如月2階多目的室兼相談室)

2025年度 1回目(年6回以上)

【参加者】

米子市長寿社会課
M様(利用者の家人)・M様(利用者)
原田明(如月管理者)
賀本(法人代表者兼専門的な知見を有する者)

【オブザーバー参加:弊社他事業所職員】
岩尾(睦月管理者)、浅井(生活相談員)

【欠席者】

F様(地域代表者)



【検討項目】
➊冒頭挨拶 介護施設をとりまく環境についてご説明。
 
➋活動状況報告 ポータブルトイレの使用について
ポータブルトイレ使用見直しによる成果利用者の尊厳ある生活環境の実現を目指し、ポータブルトイレの使用見直しに取り組んだ結果、ポータブルトイレに座れることは、利用者が自力で居室から通常のトイレへ移動し利用できる可能性を示すという点に着目し、最大8件あった使用事例が現在では0件となりました。 これにより以下の効果が確認されています。

臭気の改善: 居室内のこもる臭いがなくなり、他の利用者やスタッフにも好影響を与えています。
QOL(生活の質)の向上: 利用者自身がトイレに行ける達成感を持ち、日中・夜間ともに自立姿勢に繋がっています。 感染症予防: 排泄環境が改善され、衛生面でのリスクが大幅に軽減されました。
この取り組みは「できる力を生かす介護」の観点に基づき、介護スタッフによる適切な誘導や声掛けを通じて段階的に進められました。ポータブルトイレ撤去後の転倒事故は発生しておらず、カンファレンスでの安易な導入を避け、適切な誘導と声掛けにより衛生的で快適な水洗トイレ利用(ウォシュレットでの洗浄も含む)が可能であることが確認されています。
 
❸入居状況と市場トレンド
稼働率: 定員29室に対し、現在28室が入居済みです。残り1室も今週中に入居が決定しており、ほぼ満室稼働の状態です。 問い合わせ傾向: 週に3〜5件の問い合わせがあり、主に病院や老健からの紹介が常時あります。 利用者層の変化: 病的なケアを必要とする方、身寄りのない方、生活困窮者の問い合わせが増加傾向にあります。また、資料上は家族がいるものの連絡が取れないといった、家族間の相違に起因する問い合わせも増加しています。
 
➍平均介護度
5月末時点で3.38と、一般的な老人ホームと比較して高い水準にあり、介護度の高い利用者が多いことが特徴です。
 
➎研修の状況
研修体制と品質管理年間を通じた包括的な研修計画が策定されており、組織全体で品質向上とリスク管理に取り組んでいます。
役員から現場職員、新人まで、組織全体にわたる多層的な研修と委員会が月にわたり実施され、決定事項が現場に落とし込まれる体制が確立されています。

➏委員会構造
役員による第一委員会: 介護専門資格を持つ役員が毎週火曜日に開催し、対策検討や決定事項を定めます。 コンプライアンス会議(第二委員会): 月1回、管理者を交えて開催され、役員会で決定された方向性を現場の状況に合わせて具体化し、決定します。この会議内で研修も行われます。 管理者会議: 月1回開催され、事業としての収益確保や職員の処遇改善といったケース管理の重要性も研修内容に含まれます。 施設・事業所相談員研修および委員会: 感染症対策、事故発生時の対応、資質向上など、上位委員会からの指示に基づき実施されます。 現場リーダー研修: 現場の専門職である介護職員のスキル向上を目的としています。 重点研修
法的要件以上の頻度で、特に高齢者虐待防止研修を毎月実施し、虐待に繋がる小さな兆候にも対応する予防的アプローチを重視しています。
研修方法: 動画研修(感染症、アンガーマネジメント、スピーチロック、身体拘束など)や回覧(紙ベースおよび携帯電話のグループチャット)、議事録の共有などを活用し、全職員への周知徹底を図っています。
 
❼事故・ヒヤリハット報告と再発防止策

4月1日以降、市への提出義務がある重大な事故は発生していません。ヒヤリハット事例が2件報告されており、それぞれ原因分析と再発防止策が講じられていま
  • 服薬ミス 朝食後の薬を夕食後に与えてしまった事例。 原因: 薬カレンダーからの取り出し時に、名前と日付のみ確認し、服用時間(朝食後か夕食後か)の確認が不十分であったこと。マニュアルは存在したが、徹底が不足していたこと。利用者からの催促による職員の焦りや、人員不足による余裕のなさも背景要因として挙げられます。 再発防止策: 服薬手順の再徹底(名前、日付、服用時間のトリプルチェック)。 スタッフによるダブルチェックの義務化。 利用者本人による最終確認と服薬完了までの確認。 薬カレンダーの色分けなど、間違いにくい環境整備。
  • 転倒事例  車椅子使用の利用者が、座布団を取ろうと立ち上がった際にバランスを崩し転倒。 原因: 利用者が簡単なことと考えスタッフを呼ばずに自身で行動したこと。スタッフへの声かけがしにくい雰囲気や、利用者への声かけ不足。 再発防止策: スタッフが声かけしやすい雰囲気作り。利用者へのブレーキ使用や声かけの徹底指導。これらの事例から、マニュアルの整備だけでなく、その徹底と職員の教育、そして人員配置の余裕が品質管理とリスク低減に不可欠であることが認識されています。
 
意見交換
(米子市長寿社会課)
➊運営推進会議の概要地域でのネットワーク構築とサービス品質向上を目的とした運営推進会議が開催されています。目的: 地域との連携強化、サービス提供の質の向上。
参加者: 利用者、利用者家族、地域住民代表(自治会、民生委員、警察官など)、市職員、地域包括支援センター職員、ケアマネージャー、事業所職員。 開催頻度: 2ヶ月に1回(年6回以上)の開催が義務付けられています。
 参加が難しい場合でも、市または地域包括支援センターのいずれかが出席する必要がある。年度末には、開催状況と参加メンバーの報告が義務付けられています。
➋資料についての質問(夢かなシートとは)
施設運営の目標設定と技術活用 夢を叶えるシート: 管理者向けの内部目標設定ツールであり、「ヒト・モノ・カネ」の観点から職員のマネジメントや施設運営の目標を明確化し、質の高い施設運営を目指しています。
❸ヒヤリハットについて
沢山の事例を見る立場から高齢者施設という特性上、転倒は防ぎきれないと思いますが、服薬に関しては「マニュアルの作成が出来ていない」ケースと「徹底が出来ていない」二つのケースが殆どです。如月はマニュアルはあるので職員への徹底をしっかりとお願いします。
(家人様)
自分も仕事柄ヒヤリハット再発防止の大変さはよくわかる。引続きしっかり検証していただきたい。
 
その他
施設の案内(眠りスキャンの説明)
 IoTツール(眠りスキャン): 夜間の排泄パターン把握に活用されており、IoT技術を用いたデータに基づいたケアの提供と効率化が図られています。
 
次回対応予定
◎ 服薬手順の再徹底と薬カレンダーの改善
◎ スタッフが声かけしやすい雰囲気作りと利用者への声かけ徹底
◎ 人員不足解消に向けた採用活動の継続
◎ 運営推進会議の継続的な開催と年度末報告の実施